久宝家の別荘で同居するなんて思っていなかったから……!!


もちろん、奏くんと一緒にいられることは嬉しい。

だけど、急すぎて心臓パクパク……!!


……ああ、そうだ。


奏くんは小さい頃、私の笑っている顔がとても好きだと言ってくれた。


まだ、わからない。奏くんが私に、好意を持ってくれないわけでは、ないと信じたい。

可能性は0なわけではないし……前を、向いてみるのもいいかもしれない。


同居を開始するのは明日、頑張ろう!

大好きな奏くんといれるなら、いいよね……!!



***


そして次の日。


奏くんはいつも通り過保護で、私をお迎えに来てくれた。


そこから車に乗らせてもらって、一緒に別荘に向かっている。


「美都、楽しみだな」

「うん、そうだね……!」

「……ん?どうした。なんだか元気ないな」

「えっ?そ、そうかな……?」


見透かしたように奏くんにそう言われてしまった。

やっぱり鋭いな……。