心苦しいが……美都を部屋に閉じ込めて、やってきた日向のいる客室へと着いた頃だった。


「久宝……!お前っ……!」

「なんのようだ」


ソファに座り、日向を睨みつける。


「美都ちゃんを……!無理矢理、自分のものにしただろ!」

「無理矢理?そんなわけないだろ。美都は中学生の頃から俺のことが好きだったんだぞ?」


挙げ句の果てに、この俺は物心つく頃にはもう好きだったと言うのに。


お前の入る隙なんてあるわけない。


「っ……!なんで、お前達は幼なじみの分際でっ……僕だって、中学生の頃から……」


そういえば、コイツは元々地味だったよな。


あーあ、そのままであれば良かったのに。


美都は本当に人を救うな、女神のようだ。



「お前の努力なんぞ俺の足元にも及ばないんだよ」

「僕のこと知らないくせに勝手なこと言うな……!!」

「お前だって俺のことなんてしらねぇだろ」


俺の……ひどい環境も知らずに。


「まぁまぁ、お互い美都様に救われた身として少しは仲良く慣ればよいのでは?」