次の日。


目を覚ますと、すぐ近くにソファに寝転がっている奏くんがいた。


もしかして……一緒にいてくれたのかな?


まだ寝ているようだし、起こさない方がいいよね。


あっ、私昨日お風呂入ってないんだ……!


今のうちに入ってこよう……!!




着替えを持って、お風呂に浴室に向かう途中だった。


「おはようございます、美都様」

「あ、皐月さん……!おはようございます」


ぺこりと頭を下げる。


「あの、昨日は……背中を押してくれて、ありがとうございました……!!」


奏くんに気持ちを伝えられたのは、紛れもなく皐月さんのおかげだ。


「ふふっ、当然のことをしたまでですよ」

「そんな……!皐月さんは、とってもお優しいんですね……!」

「……優しい……ですか。そうだといいですね」


にっこり皐月さんが浮かべた笑みは、心なしか悲しみ混じりに見えた。





その後、お風呂に入った私は、再び部屋に戻っていた。


時刻は午前9時。


奏くんはまだ寝ているようだった。