……その後、私達はカフェを出て、奏くんはお屋敷まで送ってくれて、今日は解散、のはずだったのだけれど……。


客室、それもVIPの人専用のお部屋に、奏くんのご両親、そして私の両親がいたのだ。

お上品にみんな座って。

それも、お父さんはとても悔しそうな顔をしながら。


「……奏くん、これどういうことだろうっ……?」

「……さぁ、な」


心なしか、奏くんが微笑んでいるように見えた。