そう思い、急いで部屋から出て美都の部屋へ向かう。


すると……室内から、何やら声がしてきた。


よく聞こえないな……。


「奏くんのことが大好きです!!」

「……は?」


分厚い扉の向こう側から聞こえてきたのは、紛れもなく愛おしい美都の声。


どうしようもなく、美都を抱きしめたい衝動に襲われた。


ドアを開けると……。


ムカつくが、美都と皐月の姿。


ガチャンッ


「み、と……」

「奏、くん……?」


泣いてたのか……?


目が真っ赤で……照れているようにも、泣いていたようにも見える。


皐月は気を使ったのか出て行って……2人きり、目があったまま会話は交わせない。


だけど……身体が勝手に動いて、座り込んでいる美都の元へ近寄って行った。


「美都……今のは、どういう意味だ?」

「いま、のは……」


美都……照れてる……可愛いな。


「恋愛、感情です……」


やばい……。


「本当、か?」


自分でも目が大きくなっていることがよくわかった。

正直……夢じゃないかと、疑っている。