ユネスは全体の空気が重たくなったのを仕切り直すために、再び指示を出す。



「そこまで!一旦休憩にしよう。ミアちゃん、魔獣達の事頼んでもいいかな?」


「はっ、はい!」



 言われた通り騎士達から手綱を預かると、ミアの元に帰ってこれた安心感を顕にするように魔獣達は、彼女にベッタリとくっついた。

 豹変する魔獣達の様子に、騎士達は若干嫌気がさすかのような表情を浮かべたのをミアは見逃さなかった。



「これじゃあ何時までたっても平行線のまま……よね」



 かと言って、無理やり心を通わせたとして、人間に不信感しか抱かない魔獣が共に戦えるわけが無い。



『相性が悪い』


「え……?」



 檻の前で魔獣達を寛がせていると、一連の様子を傍観していたフェンリルがいきなり声を掛けてきた。