「ここにいる魔獣もそうだけど、何れは魔獣騎士達のいい相棒になってくれればいいんだけど」


「心を閉ざしてるのをどうにかしなきゃだもんね……」


「ミアがいるなら、何となく大丈夫な気もするけど」


「そう、かな」



 これだけ警戒心を向けられることなく、懐かれていることにまだ気づいていないミアは、どこか心配そうな表情でスノウベアを見つめた。



 召喚士だって言うのに、まともに召喚出来た試しがないのにな。




「ふぎゅっ」



 表情を曇らせたミアに、スノウベアはくりくりとした瞳を開けてミアの頬を舐めた。擽ったくなって笑うと、落ち込んだ気持ちが解れるように消えていく。


 大丈夫、私だっていつか召喚できる日がやってくる。ここで誰かの役に立てるように日々働いていけば、いつかきっと……!

 励ましてくれたスノウベアをぎゅっと抱きしめて、視線をシュエルに動かした。やる気の満ちたミアの瞳に、彼は一つ頷いた。



「魔獣達にも受け入れて貰えたことだし、まずはここの騎士達に挨拶してくるか。その後、一通りの世話の説明をする。覚えることは山ほどあるから、ちゃんと着いてこいよミア!」


「はいっ!」



 気合いの入った返事に魔獣達は、これから始まるミアとの生活に胸を膨らませていた。