雪の魔力を持つスノウベアは、微弱ではあるが毛にも魔力がが流れているせいで、どこかひんやりとしていて気持ちがいい。

 顔を擦り寄せると尚のこと、その心地のいいひんやりとした毛並みが直接肌に感じられて、ミアは状況を忘れて、スノウベアを撫でては我慢できずに笑みを零した。



「魔獣が懐いて、る……?」


「召喚主でもないのに、警戒されていないだと?」



 一体どういうことだと二人からの疑いの目を向けられても、目の前にいるもふもふのお陰で癒されているミアには届きはしない。



「どうやら、こいつは少なくとも俺の役に立ちそうな召喚士のようだな」


「リヒト、どうするつもり?」


「なに.......簡単なことだ」



 席を立ったリヒトにスノウベアが再び怯えた様子で、ミアの膝で震えながら蹲り、ようやく目の前に彼がいることに気づいたが逃げ場を無くすように、攻め寄ってくる。