温かく出迎えてくれた彼らの安心感を前に、自然と本音を零す。




「もう二度と王様との謁見とかしたくない……」




 肩を落とすと、どっと笑いが巻き起こり、緊張感が一気に緩む。

 称号はミアにとっては誇るべきものでもなんでもない。この仲間が居たからこそ、自分を見失わずに前へ突き進んでこれたのだ。



 私はここでみんなに並べるように、少しずつ成長していければそれでいい。



 魔獣達の世話係として。

 そして、召喚士として。




「リヒトにも報告してきなよ」


「でも、団長って……今大量の書類仕事に追われてピリピリしてません?」


「まあ、魔獣騎士団長の座に座っている人だからね。やるべき事は山積みなのはいつもの事だよ。リヒトにちゃんと仕事してって言ってきてくれない?」

「はあ……」



 ユネスの提案に、部下として上司に報告する義務があるのは重々承知だ。

 だからといって怒りをぶつけられる道理もない。

 周りに急かされるように、彼の執務室へと向かうが、その足取りは見事に重たい。