透き通るような白い肌に潤んだ唇、スラリとした背丈……どこを取っても美しさを兼ね備えた女性に、騎士達が絶賛するのも無理もない。
あれが、副団長……すごく綺麗な人。
回れ右して獣舎に帰りたくなる気持ちを抑えて、頑張ろうと意気込む魔獣達にエールを送る。
集まった騎士達に、リヒトと美人副団長は訓練を開始するのを、ミアは遠くから眺めることしか出来なかった。
気分を変える為に、魔獣達の魔力の流れをどうにかして掴み取ろうと、手を握りしめては昨日の感覚を思い出させる。
「集中よ……集中……」
独りごちりながら、掴みかけた感覚を研ぎ澄ます。
するとどことなく、今までに感じたことのない気配が魔力の渦だと悟り、フェンリルに言われた通りに召喚術を思い描いてみる。
先程までのあの熱量はどこへ行ったのだろうと考えながら、召喚術の魔法陣を足元に描くが、それすらも歪んでしまう。まるで蠢く自分の心を映し出すように揺れ動く。
『ミア、もっと集中しろ』
「ごっ、ごめん」
『さっきからどうした。ずっと上の空だぞ』
フェンリルの言う通り、今までの自分とは何かが違うのを分かっているはずだというのに、渦巻く何かを取り除けず気持ちが晴れない。



