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満天の星が広がる夜空を見上げながら、ミアは昼間確かに自分が召喚した感覚が熱となり、落ち着かない体を冷まそうと、騎士舎近くの原っぱで横になっていた。
常に持ち歩いているお守り、コカトリスから貰った赤い羽根を星空に透かしては、あの時から確実に成長している自分に、思わず笑みが零れる。
これまで学校でも落第生と称されてきたミアにとって、これ以上の喜びはない。幼き頃の憧れのままに突っ走てきたというのに、召喚術をまともに扱えないなど想像はしていなかった。
ただ今は違う。大きな一歩を踏み出せたのだ。
「はあ……これが夢だったらどうしよう。また一からやり直しは堪えるなあ」
羽根を優しく握りしめる手の感覚はちゃんとある。ペガサスを抱き締めた感覚も、初めて魔獣と共鳴した感覚も鮮明に覚えている。
夢ではないんだと自分に言い聞かせて、今にも笑みが零れそうになったその時、地面を踏みしめる足音が一つ近づいてきた。
「寝れないのか?」
耳を擽るその声に、急いで身体を起こすと会いたいと願ってしまったリヒトがすぐそこにいた。



