言われた通りに来て欲しいことを強く願いながら、静かに目を閉じてペガサスの姿形を思い浮かべた。
真っ白で品のある毛並みに、スラリと長い脚。そして特徴的な大きな翼に、額の角。幼い頃に絵本の中に描かれていたペガサスを思い浮かべると、自分の魔力の中に何かが近寄ってくる感覚がした。
私、頼りない召喚士なんだけど……どうか、姿を現してくれないかな?
願わくば共鳴して欲しい、そう願った途端魔力が絡みついた。
――ご主人様は温かくて優しいね。いいよ。僕が傍に行ってあげる。
頭の中に流れ込むように聞こえてきた声に、はっと目を開ければ、魔法陣の上には抱き抱えられる程の小ささではあるが、翼を持ったペガサスがそこに居た。
「ヒン!」
「嘘っ!出来た……!!」
胸へと飛び込んでくるペガサスを抱き留めると、宝石のように輝く瞳を瞬かせた。
柔らかい翼の手触りの心地良さに、思わず顔が緩む。
「やったよフェンリル!!私、私っ召喚出来た……!」
『誰が子供を召喚しろって言った。これじゃ戦力にならないだろうが――』
「可愛い〜!!今日からよろしくね!」
フェンリルの声はミアの耳に届くことはなく、彼女は愛くるしい声で鳴くペガサスに夢中になる。



