愛たい夜に抱きしめて


꙳☄︎




─────その日は結局、

わたしが部屋に戻るまで、紫昏くんもベランダにいて。


絶対ぜったい、紫昏くんも寒かったはずなのに。

ブランケットを取りに入ることもなく。


ずうっと、わたしの話し相手になってくれていた。



そして、物珍しいことは、今回だけでは終わらなくて。



いつも通り、翌日の朝食はわたしが一番最初に食べ終わって、学校に最初に着いた、その30分後。

チャイムぎりぎりに、その人はやってきた。




「……きよ、んぐぁ、の、ざかさん、おはよ」

「乃坂さん、おはようございます」


「…………、」




反射的に言葉が出ずに、無言で会釈。

内心〝?!?!?〟みたいな感じで、荒れに荒れていたんだけど。



紫昏くん、は、いつも通り。強いて言うなら、ちょっと登校してくる時間が遅かったぐらい。


けど、その前にアブノーマルな存在がひとり。

澄良、と普段通りにわたしの名を呼ぼうとした、…………ほぼ不登校状態になっていた氷昏が、スクールバックを背負いながら現れた。