その後、とても美味しい食事(紫昏くんの手作り)を振舞ってもらい。
すべてを完食した……までは、よかったんだけど。
「………、」
「…………あの、紫昏くん。忙しいのは承知の上で、ヘルプミーお願いします」
「え?乃坂さん、一体どうし、」
きゅっと蛇口を止めて、パタパタとソファでくつろいでいたわたしへと駆け寄ってきた紫昏くんは。
「……………ほんっっとうに、兄が申し訳ありません……」
「あ、あはは……」
頭が痛そうに額を押さえながら、私の膝を枕にして心地よさげに寝ている、見目麗しき氷昏くんを見下ろした。
すやすやすやりんと、今まで寝ていたはずなのに、またもやぐっすり夢の中。
隣同士でくつろいでいたところ、眠りこけた氷昏くんの頭が、わたしの膝の上に落ちてきたのだ。
「いま退かせますね。……ほら、氷昏兄さん、乃坂さんが困ってるから起きてください」
「……すう、」
「………ひ、氷昏兄さん、」
「……ぅん、」



