─────ピンポーン。……ピンポーン。
うるさいチャイムに、目を開けた。
ぱちぱち。ゆっくりと二度瞬きをして、自分が心地のいいソファに横になっていることに、意識が追いつく。
低いテーブルの横には、畳まれた段ボール。
テーブルの上には、しゃんと置かれた教科書と制服。私服は直せればなんでもいいと、テレビの横にあった小型のチェストの中へと収納済み。
……確か、片付けが終わったあと、寝ちゃったんだっけ。
のっそり体を起こしたタイミングで、また二度、インターホンが鳴った。
えっと……帰り際、ベランダのことと、インターホンのことも教えてもらったよね。
インターホンが一回鳴った時は、エントランスから。2回続けて鳴る時は、玄関前からって。
……ということは、まさか、隣に住んでいるらしい紫昏くんが鳴らしてる?
そこまで理解が追いついた途端、慌ててモニターを覗き込んだ。
……すると、玄関前、と表示されたモニターには、やっぱり紫昏くんの綺麗な顔が映っていた。



