フラグを全力で育てる系女子の恋愛事情〜なぜか溺愛されてますが〜

確か今日は陽子さん、会社の親睦会に行くって言ってた。だから颯君、こっちに晩御飯食べに来たのか。

「おっちゃんチャーシュー大盛りな」

「あいよ」

「俺も」

颯君が藤君の隣に腰かけて、福間さんの次にそう言った。

「私達もチャーシューにしようか」

「うん」

「あ、藤君の隣、前に話した颯君だよ」

「どうも」

颯君、藤君のことめちゃくちゃ見てる。それに対して爽やかスマイルで返してる藤君も凄い。

「小夏ウケるけどいいヤツだからさ、よろしくな彼氏!」

福間さんは誰目線なんだろう…

「小夏ちゃん、また勉強で分からないところがあったらいつでも聞いてね」

あれ?三苫さん、笑顔がちょっと黒いような…

「俺も、バスケ教える。クラスマッチあるって言ってたよな」

颯君、まだ藤君見てる…

「はいよ、チャーシューお待ち!藤君、遠慮せず食ってくれよ」

「ありがとうございます」

藤君がパチンと手を合わせる。こう見えて大食いなところも、キュンとする。

「藤君、なんか騒がしくてごめんね?」

彼の耳元でコソッと囁いた。

「ううん、全然」

笑ってくれて安心したけど、私はちょっといたたまれない。

「おいしいです」

「食いっぷりいいな藤君!こんなイケメンと付き合えるなんざ、小夏は幸せもんだ」

父親から祝われるの、めちゃくちゃ恥ずかしい。

「てか聞いてくれよ、俺今日さぁ」

チャーシュー麺をすすりながら、福間さんが喋りだす。藤君はそれをちゃんと聞いてて、できた人だなって感心した。