「借りに来たんじゃないの?」 あ、ああ!そうだった。 そういえば、そんなことを言って渚の部屋に来たっけ。 「そ、そう修正テープ!あ、机の上にあるあれかな?借りてくね」 これ以上、渚と話していたらボロが出る。 そうなる前に私はさっさとその場から退散した。 「先輩が手当してくれるなら怪我も悪くないかも」 部屋に戻ったあと、隣から聞こえてきた言葉。 今度はそれに動揺した私が持っていたハサミで指を切りかけた。 この部屋で刃物類を使うのは控えよう。 私はそう心に固く誓った。