年上幼なじみに「好き」って言ったら、溺愛が加速しました。




「はいはーい。お待たせー」


 休憩時間が終わった吏都くんはエプロンの後ろの紐を結びながらやってきた。


「やっときた! 東条さん、めちゃくちゃ忙しかったんだから!」

「はは、ごめんごめん。まぁ、ちゃんと休憩できたから午後も頑張りますよー」


 吏都くんはそれだけ言うと仕事モードの顔になり、今の状況を把握した。


「えっと、篠田さんはグリドル集中してやって。鮎川さんはフライヤーお願い」

「はーい」

「で、悠真はこれまで通りね。僕がサラダとデザートしながらフォローするから大丈夫」

「が、頑張ります」


 ゆるい口調だけど、的確に指示を出した吏都くんは仕事がめちゃくちゃできる。バイト歴は高校生の頃からしているため五年目らしいし、社員さん並みの能力があり社員登用もあるんじゃないかって言われているくらい。

 彼が指示を出せば、混乱していたお店のサイクルが順調に回り始める。さっきまで結構待たせていたのに今はそんなことはなくなった。

 本当に吏都くんはすごいなぁと感心しながら時間は過ぎていき気がつけばもう上がりの時間になった。