梅雨が終わり暑くなってきた。制服も衣替えで夏服になって夏休みになった七月中旬。私は毎日、バイトに追われていた。
「悠真〜水分取ってる?」
「うん。大丈夫……暑いの苦手なだけ」
私は暑いの苦手だ。バイト以外はクーラーの部屋で過ごしたいと思っているくらいだもん。
「昔から苦手だよね、悠真は」
「うん……だって」
「じゃあ、バイト終わったらかき氷でも食べに行こうか。だから後少し頑張ろう?」
かき氷デート! え、楽しみ!
「うんっ、がんばる!」
それから、デートのことを考えていればバイトの時間はあっという間に過ぎていき上がる時間になった。吏都くんと一緒にタイムカードを退勤にするとパパッと着替えをしてお店を出る。
私たちの恋人関係も順調でバイト以外のお互いに用事がない時はデートをして過ごしていて幸せな夏休み生活を送っていた。
「クーラー、効いてきた?」
「うん。気持ち良い〜車、最高……」
夏で暑い中外は歩けないし、本当に吏都くんが車が運転できて良かった……まるで涼しいから乗せてもらってるみたいだけど切実な問題なんだよね。
お兄ちゃんは、免許取りに行ってないし車じゃ移動できないから。
「それは良かった。そういえば、真人、自動車学校行き始めたんだって?」
「え、お兄ちゃんが? 自動車学校?」
考えてたところで出てきた自動車学校の話に驚いていると、吏都くんも驚いていて「あれ、知らなかった?」と聞かれるけど初情報すぎる。