「だからね、これなら良いはずだよ。気に入ってくれたかな?」
「うんっ! とても!」
「良かった。じゃあ、付けてあげる」
吏都くんは立ち上がると私の後ろに周り後ろハグのような形で手を回した。私の左手の内側に「キツくない? 大丈夫?」と聞きながら付けてくれた。
「できた、やっぱり似合うね」
「本当? 嬉しい……」
私は嬉しくて何度も見てニヤニヤしてしまう。今日も一日頑張れそうだなぁ
「悠真、早く飲まないと学校遅刻しちゃうよ」
「はーい」
言われた通り急いで飲むと、スマホの時間を見ればもう八時半になろうとしていた。
「そろそろ出よっか。遅刻すると井出先生がめんどくさいでしょ?」
「あはは……良くわかってるね」
「そりゃあ、卒業生だからねぇ」
私たちはコップを片付けをするとカフェを出た。カフェから談笑しながら歩いていると十分ほどで学校に到着する。
「じゃあ、行ってらっしゃい」
「うん。吏都くん、時計とお迎えありがと! さっきはプチデートみたいで嬉しかった」
「こっちこそ、楽しかった。また連絡するね」
校門の少し前で吏都くんと別れると私は、校門をくぐった。