「無自覚だよね、わかってる。悠真って時計してないよね?」
「えっ、うん。してない……お金ないし、どこで買えばいいのかわからなくて。でもなんで?」
吏都くんは「なら、ちょうどいいね」と言って自分のカバンから一つの箱を取り出した。
「付き合い始めたし、プレゼント。俺とお揃いだよ」
そう言って箱を開けて見せるとそこには吏都くんと同じ色で少し小さい腕時計が入っていた。
「可愛い! 私のために?」
「うん。高等部はアクセサリーダメでしょ? だけど時計は大丈夫だからね。それにどこか行っちゃったみたいなことにはならないでしょう」
「確かに……」
あの学校、校則が本当少し厳しいところがある。校則破ったら、謹慎とかなったとか聞いたことある……それに、同じクラスの風紀委員の蓮見くんが厳しく取り締まってるし。



