年上幼なじみに「好き」って言ったら、溺愛が加速しました。



「おはよ、悠真。今日は元気そうだね」

「吏都くん、おはようっ! おかげさまで、良くなりました!」

「それは良かった。顔色もいいし、安心したよ」


 吏都くんは私の頬を両手で包み込むと微笑んだ。


「りーつー! 近い!」

「あー……真人、いいだろ俺ら付き合ってるんだし。ね、お兄さん?」

「あ? 気持ち悪い言い方するな」

「だって、恋人同士なのにふれあいさせてくれないだなんてどうかと思いますけど?」


 いつものことだけど二人は睨み合いを始めてしまった。いつもならお兄ちゃんを止めるんだけど、今なら吏都くんの服の裾を掴む。


「悠真?」

「行かないと遅刻しちゃうから、早く行こ」

「そうだね、ごめんね。行こっか」


 そう言って吏都くんは私の手を握った。


「じゃあ、真人。先に行っているからね」

「おう、ゆまのことよろしくな」


 お兄ちゃんは昼から講義らしくて私たちは先に家を出た。