年上幼なじみに「好き」って言ったら、溺愛が加速しました。



 しばらくして吏都くんはホットココアと洋菓子屋さんのプリンを持ってやってきた。


「フロンのプリン!」

「うん。終わったの遅い時間だったからさ、売れ残りなんだけど」

「私ここのプリン大好きだから嬉しい!」


 吏都くんに「まずココア飲む?」と聞かれ、うんと頷けばマグカップを渡された。

 マグカップから出ている湯気に向かってフゥフゥと冷ましてから口につける。 


「美味しい……」


 いつものココアのはずなのになんだか優しい味がする。吏都くんが作ってくれたからかな?



「それは良かった。そろそろ、真人が帰って来る頃だと思うし俺は帰ろっかな」

「えっ、もう? 吏都くん、帰っちゃうの?」

「もう帰らないと、明日も大学だし」

「そう、だよね……わがまま言ってしまってごめんなさい」


 女の子の日だからかメンタルが弱ってるのかもしれない。だけど、吏都くんに甘えたこと言うなんて……呆れられちゃう、愛想尽かされたらどうしよう!?


「悠真、そんな可愛い顔で泣かないで」

「……え?」

「俺、我慢できなくなっちゃうでしょう?」


 吏都くんからよくわからない言葉が出てきてキョトンとしていれば「……まぁ、さ」と彼は呟く。


「帰ったら連絡するし、朝迎えに行くよ。一緒に行こう」

「え、いいの?」

「うん。もちろんだよ、俺も会いたいし」


 そう言った吏都くんは私の頭を撫でると帰って行ってしまった。