「あの、吏都くん」
「ん? 何?」
「服って誰が、着替えを」
もしかして吏都くんが……とか。そんなわけないか、とも思うけど着替えをさせてくれる人なんてお兄ちゃんと吏都くん以外いない。
だけどお兄ちゃんは大学から直でバイト行ってるだろうし。
「……ごめん、俺が、着替えさせた。極力、見ないようにしたし、だから安心して」
予想が当たってしまって身体中の体温が上昇して行くのがわかる。極力ってことは見えたとこもあるということだし、下着も見られたってことだ。
それも吏都くんに見られたなんて……! 吏都くんにだけは見られたくなかった。
「ご、ごめんねっ悠真。制服でいるのはシワがついちゃうし、部屋着の方が楽かと思って」
「イエ、アリガトウゴザイマス。ゼンゼン、キニシテマセン……」
恥ずかしすぎて思わず片言になってしまう。
「本当にごめんね。体調はどう?」
「……だいぶ、よくなりました。もう、大丈夫だと思います」
「それは良かったよ。飲み物何か作ってくるよ、何がいい?」
「ココアが飲みたいです」
吏都くんは「りょうかい」と言って部屋から出ていった。



