「吏都くん?」
「悠真、もう帰ろうか。顔真っ青だし、これから二時間も働くのは無理だ。代わりも見つけたし、ちょっと待ってて」
吏都くんはそれだけ言うと休憩室から出ていった。するとすぐに戻ってきて「起きられる?」と聞かれ、首を縦に振って頷くと重たい体を起こした。
「着替えはできる?」
「うん、なんとか頑張る」
そう言って立ち上がるけどふらっとよろけたが、その瞬間、吏都くんに支えられた。
「もうこのまま帰ろう。ね? 送って行く」
「えっ、でも吏都くんまだ」
「俺のことは気にしないでいいんだよ、さぁ帰ろう」
吏都くんは優しい声で言葉を発すると、私を抱き上げお姫様抱っこをした。



