「吏都くんっ、おはようございます!」 「うん。おはよう」 吏都くんこと――東条(とうじょう)吏都(りつ)くんは、私のお兄ちゃんの親友で小さい頃から交流がある幼なじみだ。 「今日もよろしくね」 「はい。よろしくお願いします」 そして私の片思いをしている大好きな人だ。 彼に近づきたくて、このバイトを選んだと言っても過言ではない。 「私、先に行きますねっ」 「うん。よろしくー」 吏都くんは今休憩中らしい。今日は、早朝から私と同じ時間までシフトに入っていたはず……確か。