年上幼なじみに「好き」って言ったら、溺愛が加速しました。



「悠真、これから少し歩いてもいい?」


 お店から出ると車に乗る前に吏都くんに聞かれる。私が「うん」と頷けば、吏都くんは嬉しそうに微笑んでお店の近くにある階段で浜辺に降りる。夕方だからかあまり人はいなくてほとんど貸切状態だ。少しだけ肌寒い……


「寒くない? 大丈夫?」

「……大丈夫です」


 本当は寒いけど、寒いと言ってもどうにもならないと思ってそう答えたのに吏都くんは自分のカーディガンを脱いで私の肩に掛けた。


「吏都くんっ、私大丈夫だよ! 吏都くんが寒くなっちゃう」

「俺は大丈夫。平気だから着てて……ねぇ、悠真。少し話聞いてほしい」


 今、するの? あぁ、幸せな時間はもう終わりなんだなと思ったら胸がドキンと苦しくなる。だけど、失恋は早い方がいいのかもしれない……振られてもいつもと同じ感じに明るくしよう。

 気まづくなるのは嫌だもん。


「……はい、聞きます」

「あのね、悠真――」


 不意に吏都くんの言葉に言葉を重ねた。振られるなら、自分から言った方がいい……そう思った。



「吏都くん、私っ……私は、ずっと吏都くんのことが好きですっ!」


 思いっきりそう言ってしまったため急に恥ずかしくなり俯いてしゃがんでしまう。あぁ、もう無理……失恋まっしぐらだよ!