「じゃあ出発するよ」
吏都くんは私がシートベルトをしたのを確認すると、すぐにエンジンをかけてすぐに出発する。ハンドルを握る横顔は何回見てもカッコよくてドキドキと胸が高鳴る。
だからずっと見つめてしまっていると「ねぇ、悠真」と話しかけられた。
「何?」
「俺に穴でも開けたいの?」
「へっ?」
「だってずっと見てるでしょ、俺のこと」
言われてしまってハッとする。ガン見してしまった……
「ごめんなさい……すごいなぁと思って」
「え、何がすごい?」
「運転がお上手だし、すごいなぁって……はは」
本当はかっこよくて見惚れていたけど、そんなことは言えなくて誤魔化すように言った。
「そうでもないよ、自動車学校に行き始めて仮免取れるまで教習は結構ぶつかってたからね」
「えー? そうなの?」
「うん。そうそう!」
吏都くんはたわいもない話をしてくれて緊張がほぐれた気がした。家から車で走って三十分くらいで目的地に到着する。
「はい、到着」
海辺にある白い建物。そこにある駐車場に車を停めてエンジンを切った吏都くんは「降りるよ」と私の顔を覗き込み言った。
「うん。行きます」
返事をしてから助手席から降りて店内に向かった。



