「吏都くん、気をつけてきてね」
そう言って切ると玄関の鍵を締めて家の門を閉じて道へと出たけど、まだきていなかったからスマホをいじりながら待った。
そして五分経って昨日と同じ場所に一台の車が停まった。運転席の窓が開いて吏都くんが顔を出した。
「おはよ〜悠真」
私の名前を呼ぶと、手を振って吏都くんは降りて来た。昨日はゆるいTシャツにジーパンという格好でかっこよかったけど、今日は黒Tシャツにベージュのワイドパンツに同じ色のゆるいシルエットのカーディガンを着ていて今日もかっこいい。
「吏都くん、お疲れ様です。おはようございます」
「おはよ……ってもうこんにちわ、か。まずは車に乗ろうか」
吏都くんは助手席のドアを開くと「どうぞ」と乗るように促した。
「わ、たしは……」
「いいから乗って。乗らないなら抱っこするよ?」
「……! の、乗りますっ」
抱っこだなんて無理、恥ずかしすぎるしここ家の前だから近所の人に見られちゃいやだと思って素直に乗ることにした。