「もしもし……悠真です」
「おはよ。もうすぐ着くけど支度は大丈夫?」
電話から聞こえる吏都くんの声は少しだけ低くて太い声でキュンとしてしまう。それに耳元で言われてるみたいで、彼が話す度に体温が上昇して絶対今顔赤いよ……
「悠真?」
「あっ、うん! だっ、大丈夫だよ。もう出られるし」
「そっか良かった。あと五分くらいだから」
「じゃあ、私外出てよっかな」
私はそう言って戸締りをしながら出かける準備をして玄関へ向かった。
「そんなに急がなくても大丈夫だよ、家まで迎えに行くし」
いつものように優しく言ってくれたけど私は来てもらうのは悪いと思ってクリーム色のパンプスを履いて玄関のドアを開けた。