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 午前中は課題をやったり洗濯物をしまったりして時間はあっという間に過ぎてしまった。


「あああ! もう来ちゃう!」


 もう十二時半を過ぎていて約束は十三時の予定だ。頑張って服に着替えないと……メイクも髪もセットしたいし!

 私はささっと洗濯物を畳んでお兄ちゃんのは部屋に置いてきて自分のは自室に持って行った。部屋に入って服をタンスに整頓し綺麗にしまうと次は今から着る服の準備に取り掛かる。

 昨日はトップスにスカートだったから今日は白色のシアーTシャツに薄ピンク色の膝上丈のキャミワンピにして、メイクも少しでも大人っぽく見えるように以前購入した赤のリップを塗ってみた。


「なんか、似合わないかもしれないけど……もう後戻りなんてできない、し」


 覚悟を決めてメイクを施すと、髪をヘアアイロンでクルクル巻いた。もう吏都くんと一緒にこうやって出かけることできないかもしれないし、そもそも今日振られると思う。

 だから少しでも、釣り合えるように今日は頑張ろうと思う。

 フル装備が終わるとまだ時間に余裕があるためリビングのソファでゆっくりすることにした。今か今かと待っていればスマホが震えて画面を見ると吏都くんからの着信画面が表示されていて電話マークを右から左へスライドして電話に出る。