お風呂から出るとお兄ちゃんはリビングで大学のレポートを黙々と書いていた。
「お兄ちゃん、お風呂出たよ」
「わかった。じゃあ入ろっかなー」
背伸びをしたお兄ちゃんはレポート用紙をファイルに挟み、筆記用具を片付けてからお風呂へと行った。
私はキッチンにある冷蔵庫から作ってあったほうじ茶をグラスに入れるとソファに座りスマホを見る。するとちょうどメッセージアプリがピコンと通知が表示される。
「吏都くんだ……」
トークページを開くと【こんばんわ、明日行きたい場所考えといて】とメッセージが来ていた。私、行ってもいいのかななんて考えてしまう。だけど話があるって言っていたし。
それにあんな真剣な顔で話なんて……拒否できない。私は【わかった、考えとくね】と打って送信してから了解と手を上げているクマのスタンプを送った。
そのうちお兄ちゃんがお風呂から出てきてすぐに自室に行って、そのまま寝た。