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「……じゃあ、おやすみ。真人、悠真」
「おやすみー! 運転ありがと」
お兄ちゃんと私は吏都くんの運転で家に無事到着すると車から降りて、玄関へと二、三歩歩いた時「悠真!」と名前を呼ばれて振り向く。
「どうしたの?」
「悠真と話が、したい」
真剣な表情で言うから私は身構えてしまう。
「何の話?」
「秘密。……明日は暇?」
「うん、土曜日だし、バイトもオフだよ」
「俺は開店から十時まであるから、午後から出かけよう」
開店っていうことは……朝の五時じゃん! 今の時間はもう数分で二十一時になってしまうから早く帰らないとだよ!



