年上幼なじみに「好き」って言ったら、溺愛が加速しました。



「お兄ちゃん! 離れてよ!」

「えー可愛い可愛い妹をコイツに見せたくない」

「何言ってんの! 離れて!」


 全く離れてくれないからお兄ちゃんの腕の中で暴れるけど、この人日頃から筋トレしているからビクともしない。


「真人、妹を困らせちゃダメだろ」


 そう言って吏都くんは私とお兄ちゃんを引き離してくれた。


「吏都、ヤキモチ?」

「は!? そ、そんなわけないだろ! 悠真は妹みたいなもんだよ。大体、真人は――」


 吏都くんはお兄ちゃんの問いかけに全否定していて、私はそういう対象に入ってないから当然かと思ってしまって落ち込む。

 お兄ちゃんの友達だし、年が離れてるし、妹ポジションなら対象外だよね……ヤキモチをしないってことは異性としても見てもらえてないことを示してる。


「さぁ、早く行くよ。せっかく予約したんだからさ」

「そうだな」


 彼らは言い合いをやめて「悠真、行くよ」と私にも言って玄関前から吏都くんの車が停まっている場所に向かった。