「はぁ……少しは、可愛いって言ってもらえるといいな」


 そんなことを呟くと、家のインターホンが鳴った。モニターを覗くとそこにはお兄ちゃんと吏都くんがいて手を振っているのが映ったので私はカバンを持って玄関へ向かう。

 玄関の姿見で服の変なところはないか確認してパンプスを履いてから玄関のドアを開けた。


「ゆま、お待たせ〜待った?」


 先に声をかけて来たのは、お兄ちゃんだ。いつものくせで抱きついてきた。