「悠真、穴が開きそうなんだけど」
「えっ……あ、ごめんなさい! 運転する姿、いつ見てもかっこいいなぁって」
本当に運転する横顔はかっこいいのだ。普段の吏都くんもかっこいいけど……増しているというか、なんていうか。
「……無自覚?」
「っえ? 何が?」
「だよな。悠真が計算してやることないし、そもそもメリットないよな……」
吏都くんは、ぶつぶつと言っていて「あー」と唸っている。たまにこういうことあるけど、その姿もかっこいい!
「まぁ、降りるか。真人が待ってるだろうし」
「そうだね」
残念だけど、そう言われてしまえば頷くしかなかった。吏都くんは車のドアを開けるとすぐに降りてしまって私も急いで降りた。



