弥衣、秋頼へ


ほらね、やっぱり二人で来たでしょ?きっとこの手紙を読んでいる時、僕もどこかで二人のこと見てると思うんだ。


僕がいた時、二人が並んでいるところは見たことがないけれど、なんとなく雰囲気が合うんじゃないかなって思ってたよ


じゃあ弥衣、最後の手紙だよ


ここまで頑張ってくれてありがとう。難しいことばっかり書いた自覚はあるんだけど、どうだった?


友達は増えた?毎日笑えてる?


大切な人はできましたか?


その人を想って泣いていませんか、悲しい思いをさせられて俯いていませんか。違うなら、幸せだと笑ってください。


貴方が幸せなら僕は幸せです。もう僕が弥衣のほうを見ていなくても、貴方は貴方自身で幸せに手を伸ばせます。


秋頼


弥衣を譲ったんじゃないよ、弥衣が秋頼を選んだんだ。不安に思う必要なんてひとつも無い。


いつか夢を叶えたら教えてよ。その景色を、気持ちを。


秋頼は強がるから、僕がいなくなったら色々削れていっちゃうんじゃないか、心配です。


任せてごめんね、僕の幼馴染は格好良い奴だから、最後まで甘えちゃったよ。


弥衣に生きる意味を与えてくれてありがとう。秋頼も弥衣も、生きることを選んでくれてありがとう。


二人は俺の自慢です。世界で一番大事な人です。


いなくなったことを重く考えないで。天国で気ままに暮らして二人を待ってるよ。土産話を楽しみに脚本でも書いていようかな。


じゃあ、またね。親愛なる二人へ。