あれから三ヶ月が過ぎた。



月ちゃんが人生初肩上まで髪を切ったとか、由良くんと瑞星くん、夏音くんが試合で大活躍した挙句、なんだか凄い賞を取ったとか。



私の周りの変化は目まぐるしくて、あっという間に追いつけなくなった。



...私だけが、取り残されたままで。



どれだけ夜遅く起きていても、朝早く起きても、何も見つけられない。



可愛いものとか、綺麗なものとか。生と死でなにが違うのかわからなくてうずくまったりもした。



それでもやっぱり、私は生きたかった。立ち止まるけど、怖くて後ろも向くけれど、大丈夫。大切なものがあるから。



昨日は道端で毛ずくろいしている真っ黒毛な猫を見つけた。



自分だけ見ていた私が、他のものに惹かれていく。これからもこんなふうに、生きる意味を見つけながら生きていく。



それに私が消えちゃったら、由良くん泣いちゃうもんね。



「弥衣」


「あ、由良くんおかえり。何買ったの?」


「新発売アイス。寒いけど食べたくなる。口、あけて」


「おいしい!甘いもの、好きになってきた?」


「嫌いってわけじゃなかったけど。まあでも前よりも目に入るようになったかも。一緒にいる人に似る、って言うし」



日によっては雪がちらつく12月。



無事四人とも同じ大学に進学が決まって、やっと勉強から手を離せた。