「嘘っ!? 塩で味付けしただけなのに、こんなに野菜って美味しいの? 私が作ったレンズ豆のスープと食感も味も全然違うわ!!」
「えへへ。野菜は種類ごとに調理方法が異なります。うま味を最大限に出せる方法で調理するのが一番ですよ」
「そ、そうなのね。嗚呼、タマネギとニンジンが甘くって、レンズ豆がほくほくしてて……凄いわ! もう一杯お代わりしても良いかしら?」

 メライアはあっという間にスープを平らげた。
 ドロテアに料理を提供して「美味しい」という褒め言葉はもらっていたが、ここまで喜んでもらえるのは初めてだ。恐らく、相当美味しいご飯に飢えていたのだろう。

「まだあるので是非召し上がってくださいね」
 美味しい美味しいと唱えるようにして食べてくれるメライアの姿にリズは目を細めたのだった。