「そう言えば、今日はアスランも一緒ですか? 最近やっと分かったんですけど、彼は俺が強面のムキムキマッチョだったから怖がって近づけなかったようなんですよ。ちょっとずつですけど距離は縮まっているので今日もスキンシップをして仲良くなっておきたいです」
 鼻の下を伸ばすように微笑むマイロンはリズ同様、無類のもふもふな動物好きだ。

 アスランが成長して人間の言葉を話せるようになったため、マイロンはどうして自分が懐かれていないのか知ることができた。その結果、マイロンは自分を怖く見せないようにアスランと接する時はフリルのついたエプロンを着けて接している。
 だが、クロウはその努力が逆効果で、アスランが内心怯えていることを知っている。

 クロウは微苦笑を浮かべると口を開いた。
「……悪いがそれはまた今度にしてくれ。俺はそろそろソルマーニ教会へ戻らなくては」
「えっ? もう行っちゃうんですか? まだ隊長業務について聞きたいことが山ほどあって……」
「俺は陛下から新しい任務を命ぜられているから、そっちもちゃんとこなさなくてはいけない」
 クロウはフッと笑みを浮かべると、椅子から立ち上がって部屋を後にする。

 マイロンの嘆く声が廊下に響いて来たが、クロウは気にせず颯爽と外に向かって歩いて行く。