「ねえ、叔母様。叔母様が妖精の女王様に頼んで私を助けてくれたんでしょう? 身体が小さくなったのは女王様が力を使ってくださったからだって、妖精たちが言っていました。手を尽くしてくれて本当にありがとうございます」
 するとそれを聞いたドロテアが目を細めた。

「――そう、あの女が私の邪魔をしたのね」
「え?」
 今まで聞いたこともないような低くて冷たい声に驚いていると、突然後頭部に鈍い衝撃が走る。
 リズは衝撃によって床に倒れ込んだ。あまりの痛さに呻き声を上げてしまう。

「嗚呼、まさかあの女が邪魔してくるなんて。やっぱり私自ら動かないといけなかったのね」
「おば……さ、ま……」
 朦朧とする意識の中でリズはドロテアを見上げた。
 鉄製のフライパンを握り締めてこちらを見下ろす彼女の瞳は恐ろしいほど冷たかった。