「司教、教会本部からの使者が到着されました。使者は司教クラスが来ると思っていたのですが、なんとお越しになったのは大司教と聖女ドロテア様です!」
「それは本当ですか!? ああ、直ちにこのことを報告しなくては!!」
 ヘイリーは声を荒らげるマイロンと共に病室から出て行ってしまった。

 マイロンとヘイリーの話を聞いたメライアは祈るように手を組んで天井を仰ぐ。
「嗚呼、ベリーレモネードの奇跡に加えて、こんな辺境地にわざわざ教会本部の重鎮が来てくださるなんて。……多大なる僥倖だわ」
 メライアが喜びの声を上げる一方で、隣に佇むリズはというと、大司教と聖女ドロテアという言葉を耳にしてただただ目を見張るのだった。