(一体何でしょう?)
 驚いたリズは走って厨房へと戻る。
「どうしました!?」
 勝手口から顔を出すと、厨房の入り口には腰を抜かして震えるケイルズがいる。

 リズが声を掛けると、ケイルズがこちらに顔を向けて震える指で何かを差した。
「リ、リリリズ、あそこにいるのは……」
 指さす方向を見ると、そこにはアスランがいる。
 アスランはケイルズが叫んだにもかからず、厨房の床に伏せて目を閉じていた。


 リズはケイルズがアスランに驚いたのだと分かると息を吐いた。
「ケイルズ、大丈夫ですよ。アスランは身体が大きいですけど襲いません」
 しかし、リズの言葉が耳には入っていないようで、ケイルズは混乱しているままだ。

「なっ、なんでここに……え? ええ!?」
 あまりの混乱ぶりにリズは苦笑した。
「ケイルズ、落ち着いてください」
 リズがケイルズを落ち着かせていると先程の叫び声を聞いて、ヘイリーやメライアも集まってきた。