自他共に認める超絶イケメン男子、金井 朝樹(かねい あさき)は、プクリと頬を膨らませた小学3年生の双子の男女、金井 清(かねい せい)と金井 涼(かねい りょう)に向かって冷たく言い放った。
「次七瀬に余計な事言ったら晩飯抜きな」
(おっと、…)
小さな双子の兄妹にとって、夕飯抜きと言葉は想像以上にダメージが大きいもので。
「酷い!お腹空いたまま寝たら死んじゃうじゃん!お兄ちゃんの馬鹿!」
「そうやって言って、どうせ僕達からナナお姉ちゃん取るんだ!」
清と涼、と、随分涼し気な雰囲気の漂う名前とは似ても似つかない熱気を撒き散らしながらそう叫んだ彼らは、自分達の周りに集う兄達を睨んでリビングを飛び出して行った。
「あーあ、清涼が怒っちゃった」
「まあ、2人の言ってる事は正しいよね。僕がナナちゃん取っちゃうもん」
この一連の出来事を外から眺めていた部外者の瑛人がしみじみと呟き、今がチャンスとばかりに千晶さんが私にアピールをしてくる。
「兄貴…」
私にキラキラとした目を向けている千晶さんを見つめる朝樹の目は何とも言えない濁った色をしていて、チクリと胸が傷んだ。
彼がそんな反応を取ってしまうのも無理はない。
だって、私と朝樹は付き合っているのだから。
「次七瀬に余計な事言ったら晩飯抜きな」
(おっと、…)
小さな双子の兄妹にとって、夕飯抜きと言葉は想像以上にダメージが大きいもので。
「酷い!お腹空いたまま寝たら死んじゃうじゃん!お兄ちゃんの馬鹿!」
「そうやって言って、どうせ僕達からナナお姉ちゃん取るんだ!」
清と涼、と、随分涼し気な雰囲気の漂う名前とは似ても似つかない熱気を撒き散らしながらそう叫んだ彼らは、自分達の周りに集う兄達を睨んでリビングを飛び出して行った。
「あーあ、清涼が怒っちゃった」
「まあ、2人の言ってる事は正しいよね。僕がナナちゃん取っちゃうもん」
この一連の出来事を外から眺めていた部外者の瑛人がしみじみと呟き、今がチャンスとばかりに千晶さんが私にアピールをしてくる。
「兄貴…」
私にキラキラとした目を向けている千晶さんを見つめる朝樹の目は何とも言えない濁った色をしていて、チクリと胸が傷んだ。
彼がそんな反応を取ってしまうのも無理はない。
だって、私と朝樹は付き合っているのだから。



