生憎メイクなんてあまりした事がないから、いきなりアイシャドウの善し悪しを尋ねられても分からないのである。
「嘘でしょナナちゃん、どっちもピンク色だけどラメの大きさが違うじゃない!ちょっと待ってね、片目ずつ付けてみるから」
私の返答が余程間抜けだったのか、千晶さんは呆れたように笑って手鏡を取った。
ピンク色のアイシャドウを器用に目元に付けていく彼は輝いていて、好きなものを好きと言えるその勇敢さに惚れそうになって、
(駄目だ、この環境に居たら私の身が持たない…!)
夏休みが終わるまでまだ何週間も残っているのに、早くも先行きが不安になった。
「ほら。どう?どっちが好き?」
見た目は可愛らしいのに首筋は男っぽいんだな…、なんて余計な事を考えていた私は、千晶さんの優しい声で瞬きを繰り返す。
(あ、やっぱり格好良い…)
やはりどちらのアイシャドウも同じに見えるけれど、メイクを施した千晶さんが誰よりも可愛くて格好良い事は嫌でも理解出来た。
そして、そんなモデル顔負けの顔立ちを拝む事数秒。
「両方良いと思いますけど、個人的には右が好きかもしれないです。ラメがあんまり大きくない方が、逆に千晶さんの奥二重には似合ってます、…多分」
お世辞なしでどちらのアイシャドウも彼に似合っていたけれど、正直に自分の主観で感想を述べると。
「嘘でしょナナちゃん、どっちもピンク色だけどラメの大きさが違うじゃない!ちょっと待ってね、片目ずつ付けてみるから」
私の返答が余程間抜けだったのか、千晶さんは呆れたように笑って手鏡を取った。
ピンク色のアイシャドウを器用に目元に付けていく彼は輝いていて、好きなものを好きと言えるその勇敢さに惚れそうになって、
(駄目だ、この環境に居たら私の身が持たない…!)
夏休みが終わるまでまだ何週間も残っているのに、早くも先行きが不安になった。
「ほら。どう?どっちが好き?」
見た目は可愛らしいのに首筋は男っぽいんだな…、なんて余計な事を考えていた私は、千晶さんの優しい声で瞬きを繰り返す。
(あ、やっぱり格好良い…)
やはりどちらのアイシャドウも同じに見えるけれど、メイクを施した千晶さんが誰よりも可愛くて格好良い事は嫌でも理解出来た。
そして、そんなモデル顔負けの顔立ちを拝む事数秒。
「両方良いと思いますけど、個人的には右が好きかもしれないです。ラメがあんまり大きくない方が、逆に千晶さんの奥二重には似合ってます、…多分」
お世辞なしでどちらのアイシャドウも彼に似合っていたけれど、正直に自分の主観で感想を述べると。



