思わず笑みを零しながら、そのクッションを膝の上に置いて撫でていると。
「アイシャドウどっちが好き?これが1でこっちが2ね」
不意に、上から質問が飛んできた。
「はい?」
クッションから目を離した私が声のした方を見ると、そこには2種類のアイシャドウを手にした千晶さんが小首を傾げながら私の方を見ていて。
ああそうか、そう言えば千晶さんはずっとアイシャドウについて話をしていたな。
そんな事を考えたのも束の間、
(か、可愛すぎるでしょっ、)
私はクッションを抱き締める手に力を込め、悶絶の体勢へと突入した。
この人は本当に颯さんと血の繋がりがあるのか、と疑問に思ってしまう程に可愛らしいその姿は、もう男とか女とかいう性別の域を超えた神聖なるもので。
冷房の風のせいでさらさらと揺れる肩までの髪、くりくりとした目はいつも以上に大きく見えて、潤いの与えられた唇は広告に載せられるくらい輝いている。
「ちょっと、ナナちゃんどこ見てるの?」
「あ、」
アイシャドウではなく千晶さんの顔を凝視していた私は、彼の笑いを含んだ声で我に返り、慌ててアイシャドウの方へ目線をずらす。
しかし。
「あ、あの、これ違いがあんまり分からないんですけど…」
穴が空くほど真剣に2つを見比べても違いを見つけることすら叶わず、私は早々にぐうの音をあげた。
「アイシャドウどっちが好き?これが1でこっちが2ね」
不意に、上から質問が飛んできた。
「はい?」
クッションから目を離した私が声のした方を見ると、そこには2種類のアイシャドウを手にした千晶さんが小首を傾げながら私の方を見ていて。
ああそうか、そう言えば千晶さんはずっとアイシャドウについて話をしていたな。
そんな事を考えたのも束の間、
(か、可愛すぎるでしょっ、)
私はクッションを抱き締める手に力を込め、悶絶の体勢へと突入した。
この人は本当に颯さんと血の繋がりがあるのか、と疑問に思ってしまう程に可愛らしいその姿は、もう男とか女とかいう性別の域を超えた神聖なるもので。
冷房の風のせいでさらさらと揺れる肩までの髪、くりくりとした目はいつも以上に大きく見えて、潤いの与えられた唇は広告に載せられるくらい輝いている。
「ちょっと、ナナちゃんどこ見てるの?」
「あ、」
アイシャドウではなく千晶さんの顔を凝視していた私は、彼の笑いを含んだ声で我に返り、慌ててアイシャドウの方へ目線をずらす。
しかし。
「あ、あの、これ違いがあんまり分からないんですけど…」
穴が空くほど真剣に2つを見比べても違いを見つけることすら叶わず、私は早々にぐうの音をあげた。



