「今私グループホームに住んでるの。」




「グループホームって何?」





「私、発達障害があって。精神障害者の類に入るんだけど。支援のある一人暮らし。2月から暮してる。」




「私心の不調で眼球上転するの。目の、調子が悪くなるの。不安なんだって。人が怖い
の。物事を深く考えすぎてパンクするみたい。目は心の窓。っていうみたいだし。」




人が怖いから。君の言葉が胸に広がる。



「怖いの。大丈夫って思えないから辛いんだよ。」



「私の一番シンプルな心の叫びを聞いてくれる人はいるのかな。私の辛さを分かってくれる人はいるの?」



キミがつらいこと解ってるはずなのにふとした拍子に悪気がなくてもキミを傷つけてしまう。僕はなんて無力なんだろう。


勝手に傷ついてるだけ、なんて寂しいこと言うなよ。キミがつらいと思うこと、気付けなくてごめん。

「ありがとうもごめんねもわからない。感覚が心当たり無くて。どんな気持ちだったかが思い出せなくて。」



「学校で怒られた時の理不尽さに似て。なんでも叱られてなんでも謝って理由が分からないもどかしさ的な。」


「意思に反する現実の無慈悲さに落胆以上の何物でもない。」


言い切る君はきっと今まで何度も「意思に反した」行動で自分を支えてきたんだろう。君は偉いよ。

「お風呂でもじっとできない。気が散って。現実を忘れられなくて逃げられない感じ。私の心に癒しの時はないから。」



そういうキミが哀しくて。力になりたいのにどうすることもできなくて。僕はまた君を遠く感じる。


「人が害を与えてくるモンスターみたいでかかわるのさえ怖い。」

「孤独なの。敵だと思うから気も休まらないし。信頼して痛い目見ることも怖いし、優しさを信じて真実が見え隠れする状態が怖い。」



君はいつも何かにおびえているのだろうか。僕はそんな君を支えてあげたいのに。



「やるせなさに襲われる。自分の無力無能。できないことを数え悲観して前に進めない。自分の事で頭いっぱいで、余裕がない。周りに責任能力を問われたらおしまいだよね。」


抽象的な現実にとらえられない空想的な感情。文脈のない会話。感覚で覚えているいわば本能のようなこと。
できることとできないことの境界線があいまいで説明が難しい。自分自身もわかり切っていない。


「やらなきゃいけないことができないよ。無理やりやらせたって駄目、挫けて周りを恨んで。話がまとまるどころか関係すべてにおいて亀裂が走る。」



悪いことは言わない。私に無理をさせるな。長続きしないし気持ちもないからやるだけ無駄だから。




キミの言葉には君の苦労がにじみ出ていて。辛い時辛いって言えずにたまっていったキミのわだかまりそのものだと感じた。