凛とした姿はとても普段とは掛け離れていて威圧感が漂うルイゼルトに、来賓もとてもじゃないが近寄るのは短い挨拶のみで、あとは距離を取るように離れていった。一人、玉座に座る彼の元に行きたい気持ちが溢れるのを感じた、ユトが皆にファウラの登場を伝える。
(陛下の傍にいれば、最初から緊張なんてもの感じなかったんだ)
しゃんと伸びた背筋のまま開かれた扉の先へと進めば、多くの視線が一気にファウラに集まる。誰もが、彼女の美しさに息を呑む。
ルイゼルトも、その中の一人だった。
しゃんと伸ばした背筋のまま、ルイゼルトの隣に向かうべく壇上へと上がった。
誰もがファウラの姿に口を開けている中、会場を見渡せるように向きを変え一つ小さく微笑む。可憐に膝を軽く折り、今日のために作られたドレスの裾を軽く持ち上げて一礼した後、言葉を紡いだ。
「ご来場の皆様、本日は私のために誠に感謝申し上げます。レゼルト王国第三王女、ファウラ・レゼルトはこの国王陛下と婚姻を結び、共にこれからのクラネリシア国を支えていけるよう努めて参ります」
しんと静まり返った会場に、芯のあるファウラの声が響き渡る。挨拶を終えても尚、固まったままの来賓にまだ言葉を続けるべきかと思っている、会場の奥から一つの拍手が聞こえてきた。
拍手は一つ、また一つと音を重ねていき、会場には大きな拍手の音がこだましていく。一先ず任務は成功したとルイゼルトに笑顔を向ければ、耳を真っ赤にした彼が代わって挨拶を始めた。



