悪魔な国王陛下は、ワケあり姫をご所望です。





 ルイゼルトの事を言われていたのが癪に障っていたのが顔に出ていたのか、エルディンはファウラの顔を覗き込んで微笑みを向けた。



「そんな表情、貴女様の美しい顔には似合いませんよ」


「色々とお気遣い感謝します。少し緊張していたもので」


「それはそれは。そうだ、この後の式典で一曲、私と踊って頂けませんか?」


「え?」


「知っている顔ぶれは、多いに越したことはありませんから。きっと緊張も解けますよ」



 断る時間を与えないように庭園から中へと戻ると、エルディンはまた後でとだけ言って立ち去って行く。拍子抜けしていると、ファウラを見かけた侍女が声を掛けてきた。

 式典がもうすぐ始まるとの事で、急いで身支度の最終チェックを終えてからユトに連れられ会場へと向かう。金の縁取りがなされ、国の紋様が施された扉の隙間から見えた世界に息を呑む。

 扉の向こうには、豪華な会場には披露されるファウラの姿を一目見ようと、やって来た人々で溢れ返っていた。心臓が飛び出てきそうな程の緊張感に襲われるが、檀上の上で玉座に座り国王として振る舞うルイゼルトの姿を見た途端、緊張感は何処かへ消える。