悪魔な国王陛下は、ワケあり姫をご所望です。





「聞かれてた、見られてた……こんなことって、あり……?」



 クローゼットの中のドレスを着ることを仮に選択していたら、出会ったばかりの男に下着姿を見られていたかもしれないと思うと、寒気が走る。

 しかもよりにもよって、異母姉からの嫌がらせのお下がりまで見られた。女としての恥をとことん見られてしまったこの屈辱は、どうしようもできない。

 おまけに何を思ったのか、寝ていると思っていたルイゼルトに触れようとまでしたのだ。頭を抱えて自分の行動を悔やんでいると、扉が軽やかに叩かれる。

 またルイゼルトが冷やかしに来たのかと思い、口をへの字に曲げて扉を睨みつけていると、鈴の音のような可愛らしい声が部屋の外から聞こえてくる。



「ファウラ様、入ってもよろしいでしょうか?」


「えっ、ええ……」



 ルイゼルトではないと判断したファウラは立ち上がり、扉を開けて入ってくる三人の侍女に小さく会釈する。


「おはようございます、ファウラ様。陛下からお声を掛けられ参りました。朝の支度のお手伝いをさせて頂きますね」


「ありがとう。ああ……着替えはクローゼットの中のドレスで……お願い」



 ルイゼルトの言葉を思い出し、眉間にしわが寄りそうになるのを堪えて、笑みを浮かべてそう伝えると、侍女達は速やかに朝の支度の手伝いをしてくれた。